AIで顔を測定している女性

【コスメ×人工知能】化粧品業界でも活躍できる? AIの活用方法とは

自動運転する車や、効率的な洗い方を判断する洗濯機など、AI(人工知能)を用いた製品は身の回りに浸透してきています。私たちの生活は、AIによってさらに快適・便利に進化していますが、化粧品業界も例外ではありません。課題を解決できるAIの活用方法について、具体的にご紹介していきます。

化粧品業界での課題とAI活用方法


化粧品業界は、常に流行やトレンドに敏感であり、需要予測が難しいとされています。しかし、最近ではAIの活用によって需要予測がより正確になり、商品供給がスムーズになっています。また、AIを活用したシミュレーターや肌診断も登場し、お客様が自分に合った化粧品を選ぶことができるようになったのです。これらの技術は、化粧品業界における課題を解決するための有力な手段となっています。下記では、そのようなAI活用法について詳しくお伝えします。

需要予測


様々な製品の中でも、特にコスメは流行に敏感。コラボの限定コスメや、クリスマスコフレを手に入れようと、店頭に並んだことのある方もいるのでは?最近では、コロナウイルスの影響によってリップの売り上げが減ったり、マスク荒れに優しいスキンケアに注目が集まったりしました。どんな商品がどれほど売れるのか予測することは専門家でも難しく、常に過剰在庫や品切れのリスクと戦う必要があります。
AIのデータ分析によって需要予測を立てることで、計画がスムーズになります。工場での生産量や配送の手配を調整したり、生産拡大のために臨時の人材を雇用したり…。より正確なAIに進化することで、商品を求める人全員に化粧品が供給されるようになるでしょう。

シミュレーター

「ワクワクしながら買った商品なのに、実際つけてみると違う…」という経験をした方も多いのでは?自分に似合うコスメとは何か、完璧に理解している人は少ないでしょう。テスターを手に塗っても分かりづらく、かといってBAさんに試してもらうのも気後れしてしまう、なんてことがあると思います。
自分の顔写真をAIが分析すれば、適切なメイク方法や似合うコスメを提案してもらうことができます。店頭に直接行くことなく、ぴったりの化粧品を選ぶことができます。また、中には化粧品だけでなく、似合う髪型を診断してくれるAIも。巣ごもり需要が増加し続ける中で、お家にいながらトータルビューティーをチェックできるんです。

肌診断


乾燥肌や脂性肌など、人によってお肌の状態は異なります。自分自身の肌を知らないと、適切なベースメイクやスキンケアを行うことは難しいです。そのため、コスメカウンターやドラッグストアで、専用の測定器を用いて行う肌診断が人気です。
専門家やアドバイザーの知見を学習したAIなら、肌診断を自動で行うことができます。最近では、スマホのカメラも非常に高性能になったため、1枚自撮りすれば大丈夫。ほんの少しの時間で、今の自分にピッタリなコスメを知ることができるでしょう。年齢や周期によってゆらぎやすいお肌の状態を、いつでも確認することができます。

美容相談

化粧品メーカーの中には、webビューティーアドバイザーとチャットボットを連携させたアプリをダウンロードするだけで、手軽にチャットで美容相談ができるサービスを導入しているところがあります。お客様が相談内容を入力すると、AIまたはWebビューティーアドバイザーが質問内容に応じて回答します。簡単な質問はAIを活用し、もっと詳しい個人的な内容やプライベートアドバイスが必要な際は、店頭での美容提案経験があるWebビューティーアドバイザーに1対1で相談できるため、相談内容により使い分けることが可能な点が評価を上げている大きな要素です。

官能評価

大手化粧品メーカーでは、医薬品や医療機器の分野のコンサルを担当している企業と連携し「感触づくりAI」を構築しました。化粧品開発で狙い通りの感触を実現するためには、無数の原料から適した組成と適した製法を見つけ出す必要があります。以前は経験豊富な熟練者の技術と勘に頼っているところが多く、たくさんの労力を要していましが、AIを活用することにより、処方を入力するだけで一瞬にして高精度な感触予測が可能となったのです。その結果、試作回数の削減にもなり、環境にも優しい化粧品開発に繋げられました。

商品開発

化粧品開発では、創薬など他の化学製品開発同様、既存処方のノウハウに基づきながら、素材や原料の選定と実験や試作品の作成、試作品の分析・検査を繰り返して最終的に目的の製剤に至るのが大まかな流れです。

また、デジタライゼーションをする以前は、大きく以下2点の課題が存在していました。

・膨大な数の組み合わせから実験対象物への絞り込み
・実験をする際の条件の決定方法が手探り

いずれも従来は、実験結果や分析装置からのデータを元にして、研究者の経験や技術、勘で選定していましたが、AIを取り入れることで、この2点の課題の解決に繋がりました。

まとめ

今回は、化粧品業界での課題と、AI活用方法についてお伝えしました。AIやデジタル技術を積極的に活用することで、抱えている課題を克服し化粧品業界の発展に貢献できます。また、化粧業界においてAIが活躍できる場は幅広く、今後も需要が高まる分野だといえるでしょう。最近では、 AI(人工知能)について学べる大阪国際工科専門職大学のように、デジタル化の進む社会に対応した大学が増えています。IT人材の増加と活躍によって、これからも様々な産業が活発になっていくでしょう。

女性のAIイメージ